痔瘻(じろう)とは

 私は愛知県に住む33歳サラリーマンです。

 実は2年前の5月に「痔瘻」と言われるおしりの病気にかかり手術をしました。

 ここで「痔瘻」とは、「肛門の周辺に穴ができて、そこから膿が出る疾患。肛門部に膿のトンネル(瘻管)が出来た状態のこと」を言います(出典:Wikipedia)。

 いわゆる「痔」とは異なり、これは細菌の感染によって生ずる病気で、基本的に手術をしないと除去できないです。おしりにトンネルがどんどんできるという考えただけでビビる病気です。

 今回は、私の経験をお伝えしたいと思います。

 おしりに悩みはなかったのに

 おしり関係で手術をしたというと「我慢していたんだね」とか「もっと早く病院いってればいいのに」とか言われそうですが、私は症状を感じてから手術が確定するまで約3週間しか時間が経っておらず、おしり関係ではかなり迅速な対応をとったつもりです。

 あんなにすぐ病院にいったのに手術になってしまったなんてこの病気は怖すぎます。

 2年前の5月のゴールデンウィーク中、家族を連れて車で高山へ旅行に行きました。片道2時間半くらいですかね。どうも運転中におしりがもぞもぞする感じがしていました。

 帰りはもぞもぞが強くなったように感じ、自宅に戻ってからトイレで肛門付近を触ってみたら、肛門左側にふっくらと吹き出物のようなものがあるのを確認しました。このとき私は、「へんなところにニキビがあるなあ」と思っていました。

 中高生のときニキビ肌で、今は顔にできることはほとんどありませんが、たまに首の後ろとか、太ももとかに大きめのニキビができることがありましたので、それの延長線上のものだろうと思って、そのうち消滅すると考えていました。

 これまで、いわゆる痔になったことはありません。便秘になったこともなく、おしりで悩んだことはありませんでした。

 一週間後に異変

 連休が終了し毎日出勤していました。デスクワークですから、一日中椅子に座っていましたが、やっぱりおしりはもぞもぞするし、当たり所が悪いとちょっと痛いという感じになってきました。

 おしりに吹き出物があると確認してから一週間が経った平日の夕方、どうもお尻付近が湿っていることに気づきました。退勤時間になって駅のホームを歩いていたら、歩くたびに肛門がひりひりとして痛み、歩くことも難しいような状態になってしまいました。

 いったいどうなっているんだ?

 顔をしかめながらトイレに入り、パンツをおろすと、パンツになにか体液が付いています。ティッシュでおしりを拭くと、黄土色をした鼻水のような体液がべっちょりとつきました。

 これはやばいかも。

 イメージとしては、ニキビがつぶれたといった感じです。私は大きいニキビだと思っていたので、ニキビがつぶれて治るんじゃないかと思っていましたが、その時の問題は、その体液が肛門付近に付着していることで歩くたびに股が擦れてかなりの痛みがあったことです。

 ひいひいいいながら歩いてなんとか自宅に帰ろうとしました。

 とにかく痛すぎて、ただのニキビではなく「痔」なのではないだろうかと思い、帰りながら自宅の近所にある肛門科がある病院に電話をかけていまから行くので対応してほしいと約束を取り付けました。

 抗生物質で様子見

 吹き出物が潰れたその日のうちに行った病院で「痔になったかも」と医者に告げましたが、診察をして「これは痔じゃなくて「肛門周囲膿瘍」というもので、細菌性の感染症です」と言われました。

 「肛門周囲膿瘍」とは、「多くは下痢などの時に肛門周辺に便が入り、それによって細菌が肛門周囲に侵入して炎症を起こした」ものを言います(出典:Wikipedia)。

 簡単にいうと、やっぱり肛門付近の悪質な吹き出物みたいな感じですね。

 ただ、肛門周囲膿瘍が潰れて膿がいったん出てしまうと、肛門に膿の通り道が開通したという状態になり、これが「痔瘻」というものですので、私は症状に気づいてからものの1週間で「肛門周囲膿瘍」から「痔瘻」に進展した、ということになります。

 このとき、医者は「痔瘻」という言葉は言っていませんでしたが、おそらくすでに「痔瘻」になっていたのだと思います。

 お医者さんは「薬で治すは難しいかもしれないけれど、とりあえず1週間抗生物質を服用してもらって様子を見ましょう」ということでした。

 お風呂でしっかりとおしりを洗えば、ひりひりの痛みはなくなりましたので、膿が出て来さえしなければなんとか生活はできました。

 1週間抗生物質を服用したけれど

 1週間後に再び病院に行きました。

 医者はぱっと見て「うーん、やっぱり抗生物質でも効果ないね」と言いました。

 そして「大きな病院の紹介状を書きますので、そちらの先生に診てもらってください」と言いました。

 しょ、紹介状?

 病院の紹介状というのは、昔、祖母や祖父が病気の話をするときに出てくるワードでしたので、それが自分の病気で登場するなんて、一気に不安になってきました。

 紹介状というのはすぐ発行されるわけではなく、また4日後くらいに取りに来てくださいと言われ、受け取った後に、指定された日時に大きな病院へ行きました。自分はいったいどうなってしまうんだろうと、心配になっていました。

 大きな病院で手術宣告

 紹介状をもって大きな病院に行きました。

 お医者さんは、終始おしりが大好きでしょうがないといったニヤニヤ顔でした笑

 私の肛門を見て「あ、これ痔瘻だな」とすぐ言いました。

 そしてめちゃくちゃ下手な図を描いて見せて「これがおしりの穴だとすると、こんな感じにトンネルができていて、まあ、これをね、手術で除去する必要があってね」

 「…で、手術の日は何日かな~」とカレンダーを見て日程が決まりました。

 あっというまに手術決定です。症状に気づいてから、約3週間で手術決定でした。

 ちなみに、医者はよく質問されるからか「脊椎麻酔だからまったく痛くないからね」と言ってくれました。実は前もってネットで調べていたら、肛門周囲膿瘍の膿を取り出す手術の場合は部分麻酔で激痛だという情報を得ていたので、少し安心しました。自分は痔瘻にまでなっていたので、激痛な手術を免れたのかもしれません。

 あと、日帰りの人もいるらしいですが、私は一泊二日で入院することとなりました。

 後で知ることになるのですが、実は、この病気、手術後のほうがはるかに大変なのです…!

 今回はここまでです。次回は手術時から手術後のお話をします。

 おやすみなさい。