努力する気持ちがなくなる
前回「高校受験の志望校は背伸びしなくていい①」の続きです。
実力もないのに内申点が高いがゆえに推薦入試で県内No1の超進学校へ入学した私は、成績としては、おそらく高校一年生の秋頃まではさほど悪くはなかったと思います。
といっても、各科目で平均点にいくかいかないかくらいの程度でした。
この、入学してから秋頃までの期間は、どうにかくらいついて勉強していた時期でもありました。
でも、どうしても授業スピードが速く、予習復習をしないとやっていけませんでした。まわりを見ると、さほど必死に勉強している人はいないように見えました。だいたいのクラスメイトは、高校1年生という浮足立った時期を謳歌しつつ余力を残しながら6分目くらいの力で、ほどほどに勉強しているようでした。
超進学校に通ったことがある人はわかるかと思いますが、宿題や小テストがないんですね。
学校から勉強に関する積極的なサポートがないんです。
高校1年生のときの古典の先生は、わたしの記憶が間違っていなければ、古文の文法の解説を授業でしていなかったはず笑
活用などの一覧表を示して「こういうのがあるから、これを理解しておかないと、今後読めなくなるからね」と言っていたことは覚えています。
通常、進学校であれば(進学校でなくても)、文法や古文単語の小テストなどがあって当然だと思うのですが、そういうことは一切なし。それでも、定期試験ではみなさんしっかり得点してきます。
部活は試験1週間前でも、通常運転でした。
私は名古屋市に住んでいましたから、毎朝、電車通学をして、夕方4時まで授業を受けて、部活をして帰宅したら夜8時頃。寝る前にどうにかこうにか予習・復習をする。本当に忙しくて、部活によっては私よりも忙しいクラスメイトはきっとたくさんいるだろうに、みんな一体いつ勉強しているんだろうと不思議に思ったものです。
高校1年生のお正月明けになると数学はⅡ・Bに突入し、高校2年生になると化学、物理、日本史、世界史、倫理が授業科目に加わってきました。数学や英語の勉強だけでもお腹いっぱいなのに、日本史や世界史の暗記をしながら物理・化学も理解していかなければならないのは私には無理でした。
特に物理は、高校2年生の授業中に理解できたことは1つもなく、他の科目の勉強に押されて後回しになり、試験前日に初めて公式を暗記するという事態が恒例と化していました。
高校2年生のときは、平均点を超えることのほうが珍しくなり、とにかく赤点(平均点の半分以下の得点)にならないようにがんばることで精いっぱいになっていました。
高校3年生になると、部活も引退して授業科目も少し減りました。ただ、先生たちも優秀な生徒たちを前に、そこそこやりがいのある問題に取り組んでもらおうと考えて、東京大学、京都大学や名古屋大学の過去問を改題したような問題を定期試験などに出題するようになっていました。
授業は難易度の高い問題を解説する時間に充てられることが多くなりました。
このことは、基礎が固まっていない私にとっては、意味のない時間に等しかったと思います。
私は、実は塾にはいっていませんでした。
これは、超進学校に誤って入学したことで、無意識に次のように感じていたからです。
「自分はみんなと違って賢くないから、どうやっても追いつけない」
今思えば、大学受験をするのに予備校に行かないのは、まったくもって馬鹿でした。でも、当時の私は、なにをどうしてもできるようになるイメージがまったくつきませんでした。努力しても改善されないと思い込んでいたんです。
「みんなは自分とちがってデキがいいから」
中学時代は、成績優秀で、自分はがんばればなんでもできるくらいに自信がありました。でも、高校になると、まわりがあたりまえのようにいろんなことができすぎていて、すっかり自信をなくしました。
自信を失ったまま、私は、現状で入れそうな大学を探しました。クラスメイトたちは難関大学しか眼中にありませんから、私が選んだ大学はクラスメイトたちはきっと調べたこともなく偏差値もピンとこなかったことだろうと思います。
…私はいま、33歳で、税理士試験を毎年受験しています。
資格の大原の税理士講座を受講しており、会計2科目にすでに合格しました。
いまになって思うのは、高校生活を学力的にもっとゆとりのある状況で過ごすことで、勉強に対する自信を維持してより高みを目指すことができたはずだ、ということです。
ふつうにしていれば学年で上位3割くらいにランクインすることができる状況に自らを置くことで、下に追い抜かれたくないし、上を追い抜きたいし、と努力する姿勢を維持することができるでしょう。
それと、高校は、課題が多くてつらい、くらいがよかったのかもしれません。超進学校にいくと、放任主義の可能性がままあります。
私は、カリキュラムに沿って、毎回小テストを受けて、定期的に大きなテストを受けて、成績が発表されて、焦ったり喜んだりしながらレールで運ばれたほうが力を発揮するタイプのようでした。
社会人になってみると、学歴はさほど重要ではないと感じますが、高校生当時、環境次第でもっと成績を伸ばして自信をもって暮らすことができたのではないかと思うと、いまもなお悔しい気持ちです。
小ネタ(モテない)
これは容姿のせいだと言われるかもしれませんが、少なくとも私が通った高校にいた女子高生たちは、なんだかんだ賢い男子が好きです。
ちょっと不良っぽい男子が好きな女子はいません笑
しっかりした女子高生たちばかりなので、まじめな男子が報われる可能性は高いです。
でも、自然と男女比率は7:3程度になりがちなので、成績下位の男子が女子に選択されるのは少々厳しいものがあります。成績が悪くても、トークが面白いといった場合は別ですが。
もし、あなたがそこそこ上位の成績をキープしている中学3年生で高校時代に青春を過ごしたいと思っているのであれば、「ちょっともったいなかったかな」と感じるくらいの難易度やさしめの高校を選択すべきです。そうすれば、進学した高校では「できるやつ」「頼れるやつ」「自信のあるやつ」といったポジションで、楽しくてゆとりのある高校生活を送ることができることでしょう。