漢検1級は想像を超える難易度

 毎年税理士試験を受験している私は、現在33歳です。

 いまから14年ほど前、大学生だった私は、漢検を受験していて、教養のつもりでやり始めたのですが、いつのまにやらのめりこんでしまい、漢検の勉強を開始してから2年かけてついに漢検1級に合格しました。

 社会人の今からすると、もう少し実生活に役立つ資格の勉強をしてほしかったな~と思ってしまいます。

 漢検はだれもが知っている検定試験です。でも、漢検1級を受験したことがある人はかなり少ないでしょう。

 漢検2級に合格して漢検生活を終了させるのが通例で、準1級まで取得しようとする人は、漢字や試験がそこそこ好きで勉強熱心な方だと思います。

 準1級は、たしかに日常で使わない漢字もたくさんありますが、勉強すると、新聞記事などに登場する漢字で「読めるけど書けない、書いたことがない」といった漢字を頭の中でクリアに思い浮かべることができるようになります。漢字に強くなったと実感できます。

 でも、漢検1級は、正直、変人レベルです。試験範囲が、準1級が漢字3000字なのに対し、1級は漢字6000字ですから、準がつくかつかないかで火星と木星くらいの距離があるんです。

 漢検準1級と1級の合格率にさほど乖離はありませんが、準1級には2級合格後にそのままの勢いで受験してしまった受験生がいるのに対して、1級の受験生は漢字に対して本当のガチ勢ばかりです。毎年合格するリピーターが多くを占めると聞きますから、その母体集団の中での合格は、やはり準1級とは別次元の難易度だと思います。

 漢検準2級から漢検準1級まで

 私は、大学入学後、文系でバイトもサークルもしておらず、かなり暇でした。

 そこで、これまで一度も経験のなかった資格・検定試験に取り組んでみようと考えました。英語は、大学入試で嫌いになってしまいましたので、手始めに漢検を受験することにしました。

 大学受験では、漢字の勉強はまったくといっていいほどやっておらず、せっかくやるならまず常識的な漢字をしっかりマスターしたいと思い、準2級の勉強を始めました。

 でも、ほとんど知っているものばかりで、どうもやる気になりませんでした。それでも、大学1年生の6月に開催された試験日の3週間くらい前から市販の問題集を一応1冊やり切り、合格しました。

 試験直後に、次は漢検2級だと思って、問題集を購入し、すぐに勉強し始めましたが、準2級との差をさほど感じず、ときどき書けない漢字や、少し勘違いして覚えていた漢字がある程度で、どうもやりがいを感じませんでした。

 そんなとき、本屋の漢検のコーナーで、ふと「2級」の隣にある「準1級」の問題集を手に取ってみました。

 するとびっくり! まるで知らない漢字ばかり!

 完全に別世界でした。でも、こんなに書けない、読めない漢字がまだまだこんなにあったなんて!と感激?しました。なんだかどれもこれも難しそうでしかもかっこいい。

 こんな難しいたくさんの漢字をマスターするにはかなり大変そう、でもやってみたい、絶対やり遂げてみせる!と心拍数急上昇ですぐに準1級の問題集を購入しました。

 私は、やる気のない2級の勉強をやめて、10月に予定される準1級の試験に向けて勉強することにしました(現在もなお2級受験経験なしの状態)。

 とりあえず市販の問題集を1冊購入して、勉強をしました。なにせ、文系大学1年生、バイトもサークルもなく、大学も教養科目だけですから、まあ第二外国語の勉強はあるにしても、かなり暇だったんです。

 7月から勉強を始めて、夏休みもあり、有り余る時間の中、毎日3時間ほど、漢字の勉強をしていました。

 漢字の勉強法なんてものがあるのかわかりませんが、まあ文字の暗記ですから、私は、その問題集のそのページをとりあえずまず読んだり書いたりできるようにこつこつやっていただけです。

 ただ、私は、就寝前1時間ほど勉強して、翌朝起きてすぐ昨夜勉強した同じところを解答する、ということを毎日繰り返していました。一回覚えてから2回目に再びその漢字に触れるまでの時間を極力短くしていました。3回目は、1週間後くらいにしていました。さすがに、翌朝であれば、おおむね覚えていることが多かったです。

 1か月半くらい勉強すると、一冊目の問題集はほぼマスターした状態になりました。そこで、大きめの本屋にいき、そこにあったほかの漢検準1級の市販の問題集をすべて買いました。

 といっても、私は、かなり田舎に暮らしていましたので、その地方の本屋で追加で購入できた市販の問題集は2冊だけでした。そのほかには、漢検協会が出版している過去問題集を購入しました。

 過去問題集を除いて3冊問題集をやったわけですが、若干、掲載されている問題が異なる部分があり、「あ、この漢字はあっちの問題集にはなかったな~」と、未知の漢字を少しずつ補完していきました。

 試験までに過去問題集と3冊の問題集を完璧にマスターしました。

 そして大学1年生の10月の試験。

 多少、知らない漢字が出題されていたものの、おおむね解答することができ、無事に合格しました。得点はもう忘れてしまいましたが、合格点を5点くらい超えたくらいの感じだったと思います。

 正直、かなりうれしかったですね。毎日3時間を3か月半、だいたい300時間くらいを漢字の勉強に費やして、結果が得られたわけですから、一人暮らしの部屋で飛び跳ねていました笑

 でも、ここで私が言いたいのは、勉強時間よりも、3冊の問題集と協会の過去問題集をマスターした「だけ」で準1級に合格した、ということです。

 この後、勢いづいた私は、漢検1級の勉強を開始するのですが、それはもう過酷な日々でした。。。(②につづく)